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第78回日本矯正歯科学会 長崎大会に参加しました。

標記大会が、2019年11月20-22日に長崎ブリックホール、長崎新聞文化ホールなどで開催されました。
テーマは、「矯正歯科医療~どこから来て、どこへ行くのか?」でした。多くの研究発表、学術展示、症例展示などがありました。
その中で私が興味を持ったのは、臨床セミナー1『バイオメカニクスをいかに矯正臨床に応用するか?』での昭和大学歯学部長 槇 宏太郎 教授による『矯正歯科における生体力学の重要性』の講演でした。そもそも矯正歯科治療は、他の一般医科治療や歯科治療と違い生体組織に物理的な外力を加え、骨代謝を活性化させ骨の吸収と添加を連続的に発生させ、歯を移動させるものです。大きな外力を加えればその分だけ歯が大きく移動するものではありません。至適矯正力という考え方です。口腔という器官は消化器官であると同時に運動器官でもあるので,顎顔面全体の力学的に安定する位置に歯列を置くという考え方に共感しました。この考え方は、私共が採用しているDAMON SYSTEMとも共通しています。
若手研究者たちとも意見交換しました。骨格性下顎前突症患者に対し下顎骨離断手術を適用後の下顎頭の形態変化についての研究では、下顎骨が安定しやすくなる方向に下顎頭の骨の吸収と添加が起きていたとの発表に前述の生体力学の重要性、つまり顎顔面全体の力学を考慮したうえでの安定した位置に下顎骨を置くという考え方と一致しています。

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